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ふるさとのために私ができること

こんにちは。note担当地域おこし協力隊の竹内咲樹です。湧別町も夏らしくなってきました…職場にはエアコンがないので各自水分・塩分補給しながらバテないように頑張っています。
さて、今回はとてもパワフルな大先輩たちから元気をもらったお話をお伝えしたいと思います。

「少し開始が遅れましたが、これから小牧歌笑会との交流会を始めます。一曲目は”ふるさと”です!」上芭露かみばろう地区老人クラブ 上芭露寿クラブ代表 上田定幸さんによる元気な一声が会場に響き渡りました。

サロマ湖100キロウルトラマラソンが開催された6月30日、マラソンコースよりも内陸にある上芭露地区では唄と踊りのボランティアグループ小牧歌笑会(愛知県)から代表の水田黎子れいこさん(88歳)をはじめとする4名が上芭露を訪れ、上芭露寿クラブの方々と一緒に歌ったり食事をしたりと約3時間の交流会が開かれていました。

愛知県の歌笑会がなぜ、わざわざ北海道上芭露に―?

唄と踊りのボランティアグループ小牧歌笑会代表の水田黎子さんが上芭露ご出身。今は愛知県でご活躍されており、30年以上ボランティア活動として老人ホームなどを中心に歌と踊りで多くの人に元気を与えてきました。

水田さんの両親が上芭露で薄荷はっかの輸出などで生計を立てていましたが、黎子さんが16歳のときに上芭露を離れました。幼いころは病弱だったため16歳まで過ごした上芭露では同じ地区内であっても離れた家までは遊びに行けず、今では姉弟のような付き合いのある上田定幸さんとも大人になってから仲良くなったそうです。

水田さん(左)と上田さん(右)によるデュエットも。

この子たちがふるさとを守ってくれているんだ

ふるさと上芭露へは何度も訪れていたという水田さんですが、数年前に上田さんが経営する牧場で働く外国人技能実習生と出会い、「自分のふるさとを、今はこの子たちが守ってくれているんだ」と大きな衝撃を受けたそうです。
そして、この子達に恩返しをしたいと強く思い、言葉は通じないものの定期的に電話をしたり、日本の伝統文化を知ってもらいたいと着物や帯を贈ったりと交流を続けています。
実習生らは水田さんのことを「お母さん」と呼んで慕っており、今回のイベントの際には水田さんらが着付けてくれた着物姿で少し気恥ずかしそうにしながらも、会に参加しステージでは日本語でkiroroの未来へを歌ってくれました。

ふるさとのために私ができること

「上芭露は今住む人たちによって緑豊かな土地が守られているけども、人は減っていて、どんどん過疎化が進んでいます。その土地をどうやって守るか、私たちの代は後世に継ぎやすいようにしていかないといけないのです。自分にできることは36年間続けてきた唄と踊りなので、楽しんでもらい、少しでも恩返しができればと思っています。」

外国人技能実習生らに話しかける水田さん

歌唱中にはステージを降り、参加者一人一人と握手を交わしている姿も印象的でした。
”握手は心が伝わる”
これも水田さんが教えてくれた言葉です。

上芭露寿クラブ代表 上田さんは「これほどふるさとを愛してくれる人は少ない。交流会も最高でした。地域の人との交流もできてよかった。今晩はうちに20人くらい集まって宴会です!」と、交流会終了後は早速夜の宴会準備に移っていました。

水田さんは「ふるさとが本当に大好きで、この北の大地で育った時間があったからこそ今の自分があると思っています。だから、上芭露でのステージは本当に感無量でした。唄と踊りの活動は36年続けていても、みなさんに楽しんでいただけたのかな?と毎回心配になりますが、体が動くうちは続けていきたいと思います。」とおっしゃっており、強い気持ちが伝わってきて私も目頭が熱くなり…約60年も大先輩の方々のふるさと愛に溢れたお話を聞いて元気をもらえた一日となりました。



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