見出し画像

自然の恵みを余すことなく活用したい―シカ工房 伊藤産業―

湧別町で唯一、シカ肉の加工・販売を行う伊藤産業の加工場から楽しそうな話声が聞こえてきました。漫才中!?と思うほどテンポよく会話が弾んでいます。
※インタビュー時は禁猟期間だったため、シカ肉加工はしていません

伊藤栄さん(トップ写真左)と奥様の2人で2019年から始めたシカ肉事業は、2023年5月から地域おこし協力隊の田渕徹平さん(トップ写真右)が事業継承し、伊藤ご夫妻のサポートを得ながら経営をしています。

2023年6月2日NHKほっとニュース道北・オホーツクにて放送↓


湧別産シカ肉

湧別に生息しているのはエゾシカ。二ホンジカの亜種で北海道全域に生息しており、本州以南にいるシカより大きいのが特徴です。町内で初めてエゾシカに出くわしたときはその大きさにかなり驚きました。(運転中にぶつかったら廃車になるんだとか…怖)
伊藤産業では町内のハンターさんと連携をとり、ハンターさんが仕留めたシカを加工場に搬入してもらって精肉にしています。ジビエにするには鮮度も重要となりますが、ハンターさんたちは新鮮な状態で渡せるように考えて駆除活動をしてくれるそうです。

部位別 シカ肉の食べ方

シカ肉は鉄分豊富で脂肪分が少なく、とてもヘルシーなお肉です。
現在、伊藤産業ではふるさと納税ポータルサイトや自社通販サイトでロース、モモ、スネの3種の部位を提供・販売しています。
ロースは比較的肉質の柔らかい部位でステーキや焼肉にしてもおいしく頂けます。ただし、強火で焼くと固くなってしまうので、弱火でじっくりと焼くのがコツ。
モモは万能な部位で焼肉はもちろん、シチューなど煮込み料理にも向いています。
スネは焼肉では少し固いので、煮込み料理がおすすめ。ほろほろっとした感じになるそうですよ。

部位によって様々な料理が楽しめるゆうべつ産シカ肉を、ぜひ一度味わってみてください。

シカ肉レシピを掲載しているクリエイターさんを見つけたので、勝手ながら紹介させていただきます。どちらもおいしそうな上におしゃれ!

ージビエには意義があるー

田渕さんは移住2年目で事業継承を決意しています。
地域おこし協力隊として、役場水産林務課で鳥獣被害や林業を担当していた影響も大きく、豊かな自然の中で生きる動物と人のリアルを知ったからこそジビエの意義を見出せたそうです。

「ジビエは面白くて、とても意義のある事業」と話す、田渕さんが考えるジビエ事業の意義は以下の通りです。

①農業・林業被害対策のコスト抑制
 
鹿をただ捕獲するだけだと運搬や処分費用に莫大なお金がかかります。
 ジビエ等で活用することで費用を節約することができます。
②地域産品のひとつになる
 
生産した鹿肉は地場産品として販売され、地域の㏚にもつながります。
③持続的な鳥獣管理とハンターの育成
 
地域にとって身近な営みとなることで鳥獣管理活動の啓蒙にもつながり、
 持続的な活動によって後進の育成にも寄与することができます。

ー余すことなく活用したいからー

事業継承前に行われたジビエ試食会でジビエの意義について話す田渕さん

複数の意義があると考えるジビエ事業を長く続けていくため、精肉の販売にとどまらず、鹿の角や皮なども活用して自然の恵みである鹿を余すことなく活用していきたいとおっしゃっていました。
現在、ふるさと納税では「鹿の角」の提供が始まっています。インテリアにもなる鹿の角もぜひチェックしてみてくださいね。

移住して趣味程度に取得した狩猟免許も今となっては仕事に。
時間があれば自らも狩りに出向きます。


この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

イチオシのふるさと納税

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!