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【ゆうべつ学】を通して学ぶこと

こんにちは!湧別町地域おこし協力隊note担当の竹内咲樹です。
湧別町のゆうべつ学園(義務教育学校)では、「ゆうべつ学」という授業があります。
ゆうべつ学?何を学ぶの?私も初めはわかりませんでした。ただ取り組みについて知ると面白い!今回はそんな「ゆうべつ学」についてお伝えします。

ゆうべつ学とは

その名の通り、ゆうべつについて学ぶ授業です。湧別町に住む人や自然、ものにフォーカスし、1年通して深堀していきます。実は普段何気なく住んでいる町からも学べることがたくさんあるのです。
私は、前期課程の4年生の授業に密着。月に一度程度行われる授業を見学させていただきました。

4年生のテーマは「湧別川」

4年生は「湧別川」を題材に、"川の最初の一滴"の話から学びました。

ゲストティーチャー絹張さんによるフィールドワークの様子

1.まずは山へ

川の学習をなぜ山で…?山は雨水を吸収し保水するスポンジの役割をしていて、浄化しながら川となって流れ出ます。この山と川のつながりと水の流れなどの観察力を高めるのがポイントです。

五鹿山の見晴らしの良い場所から、湧別町の街並みと川の位置などをレクチャ―してもらいます。

2.そして川辺へ

第2回では、前回のおさらいをしてから実際の河原を観察し河畔林や人工的な護岸や堰堤の役割を学びます。
川の流れと力を河原の石の大きさから知るために、大きさの概念を「アタマ大」や「コブシ大」でザックリつかみ、上流と下流の2箇所で同じように河原の観察と石の大きさを比べます。
その距離わずか10キロくらいの差ですがその違いが理解できます。

川の構造にも少し触れ、表面を流れる「表流水」と川底の地面の中を流れる「伏流水」に分かれていること、これら秘密の場所探検でその伏流水に実際に触れてみることで冷たさや水のきれいさを理解します。

表流水・伏流水に触れる子どもたち

3.水のきれい度を知る

第3回は湧別川のきれい度(水質)を知ることが目的です。
今回は水生生物を採取して指標にする方法で、湧別川の水質を調べました。
この方法は、その場所と周辺が長い間どうなっていたかを知ることができるのが特徴です。

子どもたちも川に入り、タモを使って川底の石をガサガサして魚や水棲昆虫を採りました。

真剣な様子で虫や魚を探していました。

それから、生物指標(※1)を参考にして「きれいな水に棲む生き物」「少し汚い水に棲む生き物」「とっても汚い水に棲む生き物」に分けていきます。

調査の結果、湧別川にはヒラタカゲロウやヘビトンボなど「きれいな水に棲むもの」からチラカゲロウやヒゲナガカワトビケラなど「ややきれいな水に棲むもの」が多く、コガタシマトビケラやスジエビなど少し汚い水に棲むのもいますが概ねきれいであることがわかりました。
(今回水質のパックテストはしていませんが、直近の調査数値を見ても水質はきれいでした。)

4.湧別川とサケの関係

山から始まったゆうべつ学、最後のフィールドワークでは湧別川とサケの関わりについて学びます。サケの一生や種類についてレクチャーを受けてから、目の前でサケが遡上してる様子を見ました。サケが遡上するシーンは大人でも見入ってしまうほど迫力があります。

水中をよーくご覧ください。第一関門をクリアしたサケがたくさんいます。

学んだことを発表

「湧別川」をテーマに学んだ4年生の発表の様子

年間通して学ぶゆうべつ学。前期課程の括りとして中間発表会が開催されました。発表は学校行事として第1学年を除く8学年で行われます(第2学年は生活科として発表)。他学年は「ゆうべつ人」「チューリップ」「町を支えているもの」などのテーマに基づき発表していました。
保護者やゆうべつ学の講師をした町民の方も招かれており、新築の校内は賑やかな雰囲気です。

義務教育学校のため、私服姿の児童と制服姿の生徒が一緒の空間にいます。
1年生~9年生の教室があります。
4年生の発表の様子

自作のパワポを用意して一人1台所有しているiPadを使って操作しながら、3分の持ち時間内で一所懸命発表している姿にじんと来ました。
質疑応答では鋭い質問もありましたが、しっかりと回答していて、フィールドワークで学んだことをきちんと自分のものにしていて素晴らしかったです。

半年間の授業を担当したゲストティーチャーの絹張さんも発表を見守り、「学んでほしかったことがしっかりと伝わっていて安心した。」とほっとした様子でした。

町の資源を活かして取り組む「ゆうべつ学」。これからも続いていってほしいと思います✨

ゆうべつ学園について↓

(※1)生物指標について↓


(余談)
湧別町はお祭りで鮭のつかみ取りがあるほど鮭に恵まれています。

鮭のつかみ取りの様子―動画開始3:25あたり